2009年12月

一期一会

先日歌舞伎座へ行った時のことです。その日の席は、2階の桟敷席、前から5番目の真横です。役者さんの表情もよく見えますし、舞台を上からみることで、奥までよく見えます。回り舞台の時は本当におもいろいです。靴を脱いで、堀炬燵のようになっていて(暖房はありません)カウンターのようにテーブルもついてます。そこにプログラムやお茶、眼鏡やオペラグラスを置いて、ゆっくり観れます。私はそんな席が初めてで、思わず隣りの方に「この席面白いですね」と声をかけました。お一人でいらっしゃって、群馬からみえたそうです。ご覧なって感激して涙ぐんだり、歌舞伎は結構お好きそうです。

 

幕間もその席でお弁当食べながら、「いつもどうやってチケット取ってますか?」から、ご贔屓の役者さんや好きな演目の話、最近観たお芝居の話・・・、そして 「来月は久しぶりに友達と来ますが、好みも色々ですから一人がいいです」と言われました。私も全く同感なので 「私もそうですよ」 って相づちを打ちます。幕間の時間があっという間に過ぎました。

 

その方はお都合で、最後のお芝居の途中で帰られました。が、帰られる時握手した手を、何度も何度もにぎり返されました。お名前も連絡先もお互いに何もききません。でも、またお会いできるかもしれませんね・・・そんな思いが感じられました。同じ趣味で、楽しいおしゃべりができた、この場で、このひとときに・・・これが本当の 『一期一会』 ですね。                                                          

「てんてこ舞い」はいけません!

随分前の話ですが、私が気ぜわしく掃除機をかけている様子を見ていた娘が、「掃除機はね、ゆっくりかけた方がちゃんと吸ってくれるよ」と言いいました。確かにそう・・・。そして何度も動かしている方が疲れます。効果的なやり方とは見た目と違う時もあるってことです。考えてみれば、雑巾がけもそうです。ゆっくり力入れて拭いた方が確実によごれが取れます。ゆっくり拭けばすみも拭けて、丸く拭くことはありません。何度もいうようですが、体の消耗も少ないです。

 

最近、例えばしなきゃいけない事が5つあったとしても、優先順位は〆切順、1つ片づいたら次を始める、一点集中型でやるようにしてます。あれもこれもと思い出したら、大して進んでないのに気ばかりあせって、思った程はかどっていないことって多いです。又、この時間までにこれをすると目算つけたら焦らない。手は2本しかないんだから、それに集中する。時間を気にしたりしない。集中力です。こういう時って案外できる、間に合うものなんです。だから1つやっている時は他の事はできるだけ考えない、ゆっくり扱う掃除機と同じです。

 

そう考えると思い当たることは色々あります。お寺さんの行事の時のお手伝いを何人かの人としている時でも、気ぜわしくバタバタ動いている人が時々みえます。1つ2つの洗い物を何度も行き来してやっているとか。確かにお手伝いの時って、ボーっとしているといけないという思いはみんなにありますが、一人バタバタすると、みんなが何かしなきゃ・・・と思って、余分に疲れるような気がします。ゆったりの人が揃っている時は、何か疲れ方が違うようです。多分家でもこんな風にシャキシャキとは動いていないと思いますが、おおぜい人がいると最高の自分を出そうと、無意識の内に頑張ってしまうんですね。

 

私という道具をいかに効率的に使えるかは、案外ゆっくり、でも確実にやる事のような気がします。若い頃は気持ちと体の動きが合わさっています。でも段々、気は急いても体が・・・という事ありません?よく電卓でも慣れてくると手早く指を動かす快感ってあります。でも3回して3回とも金額が違っていることもあります。それより、ゆっくり確実にやった方がピッタリ!・・・「てんてこ舞い」はいけません。

 

これって、所作だけでなく、生き方に繋がるような気がしませんか?